レミニセンス / 師走の回想船
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緋色 / (piaproページ)
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SPECIAL
17
MARVELOUS
 
1,350 Notes



<izkdic> No.300(★×22)

こんばんは。izkdicです。
譜面以外のところでは選曲、色変化と、システム的な部分の調整等を担当しています。

本作が僕にとって、300作目のだんおに作品になりました。
さらに今回は、同じく300作目到達を目前に控えていたdecresc.さんを巻き込んで、
お互いの300作達成を記念しあう、文字通りスペシャルなコラボレーションが実現しました!
100n作達成者が主催で合作が行われたことは過去にあれど、
お互いに100n作達成する2人が一緒に作り上げた合作作品というのは空前絶後だと思います。


事の発端は8月23日の深夜(日付変わって24日になっていましたが)。多鍵祭'21のすぐあとですね。
最初は300作目も個人で作るつもりで、選曲どうしようとか演出どうしようとかいろいろ考えていました。
そんな時にふっと目に留まったのがdecresc.さんの作品番号(≒作品数)でした。
多鍵祭'21終了時点で、decresc.さんが297、僕は296。
これなら、No.300×No.300のコラボレーションができるんじゃないか?
decresc.さんは合作への参加経験が少ない、というか突発合作のYorixiroしかない上に、
もうすでに向こうはNo.300の構想を立てているかもしれない。
でも、だからといってこの機会を逃すと永遠に後悔するかもしれない。ダメだったらその時だ! ええい、ままよ!
みたいな感じでdecresc.さんに突撃したのがすべての始まりでした。

結果的にはこの時点では特にNo.300の構想はなかったらしく、
僕の懸念はすべて杞憂に終わり合作がスタートすることになりました。
向こうからしても多鍵祭中にDiscordやスピツイで多少交流があったとはいえ、
「スピードツイスターの しかいが がっさくを しかけてきた!」みたいな状態になっていたと思われるので、
それはもう大いに困惑されたことだと思います(陳謝)

ちなみに、このめぐりあわせは結構偶然の要素が強く、
decresc.さんがたまたま多鍵祭'21の前にスランプに陥っていて作品公開頻度が落ちていたという事情があり、
それがなければおそらく多鍵祭'21の本祭で300作達成されていたと思われるので、
運命って本当にあるのかなぁとか感じたり感じなかったり。


楽曲は僕が選曲しました。緋色さんより、「師走の回想船」。
この曲は2013年9月から緋色さんが毎月投稿されていたシリーズものの1曲です。
(9)長月遊戯→(10)神無月の焦燥→(11)霜月散華→(12)師走の回想船
→<ここから2014年>(1)睦月の黎明へ→(2)如月の夕景→(3)弥生の桜空
という感じで7曲あり、4曲目に相当するのが今回の楽曲です。
ピアノとストリングス主体でアップテンポな変拍子ポップス。
190BPMという高速で過去を振り返るように駆け抜けます。
変拍子要素はやや薄めで、基本は4拍子と5拍子、たまに6拍子みたいな感じです。

この曲は緋色さんの曲の中でも特にお気に入りの1曲で、
加えて展開が多いため合作にも向いており(私見)、どこかのタイミングで合作したいなとは以前から思っていましたが、
今回の機会はまさに絶好でした。ついでに12月なら多鍵祭Another的なものが開催されるだろうという憶測の元で、
そこに提出するのがいいですよねみたいなことになり。
結局AnotherはReturnsに進化したのですが、そこに持っていく流れに。


さて、今回は5keyで合作を進めることになりました。
この曲は緋色さん特有の細かく練りこまれた伴奏を前面に押し出すなら7keyとかの方がよさそうなのですが、
そうすると逆にピーキーなことにもなりかねなかったため、5keyでも問題なく進められたと思います。
譜面のコンセプトはほとんど「お互いがお互いを尊重する譜面」に集約されます。
相方に意見を聞いてみたり、相方を意識した配置をいれたりとか。
基本的にバトる感じではなく、調和を重視した譜面構成になりました。この手の合作にしてはかなりまとまった構成です。
譜面難易度もほぼ当初の予想通りに進みました。

僕パートはあんまり伴奏には寄らず、歌詞表現を入れ込んだボーカル配置をしている部分が多いです。
decresc.さんのつくり方が割とボーカルベースにしつつ、
空いたところに気づきやすい音を拾うみたいな感じだったので、それを踏襲したりとかも。
自分の譜面としては拾い方は割と近年まれにみるほど素直な感じになりました(一部を除く)。

合作部はほとんどの箇所でdecresc.さんの配置がベースです。
僕のをベースにすると大体どこかで音を拾いたくなる症候群を発症して暴走するため、
それがないというだけでもなかなか堅実な内容になりましたね。
一見やってることは普通っぽく見えるんですが、確実にこの2人じゃないと作れない譜面になったと思います。
終端判定を緩めていますがフリーズが結構難しいのと、高速の16分に要注意です。


譜面が最後まで通ったのは9月27日。
こういう合作では僕が制作者表示とか歌詞表示とかその辺をやることが多いので、
さてどうしようかなーと思っていたところにdecresc.さんから演出初期案が飛んできました。
(譜面の制作と並行して作られていたらしい)
初期案といいつつベースは今とほぼ同じもので、完全に度肝を抜かれました。
デザイン力やべえ(感嘆)。

僕はデザインについてはからっきしなので、
(イラストを描けるあいすさんとかも含めて)こういう方向にマルチな才能を発揮できる方は素直に尊敬するのですが、
一方でシステム的な部分や色変化など、僕が普段手を加えることが多いところはだいたい未着手だったので、
その部分は僕が担当したり調整したりしています。
図らずも、譜面外の部分でもお互いの得意分野がきれいに発揮される形になったのでした。

……まあ、改めて考えてみれば、
decresc.さんは過去にこんなのとかこんなのを作られているので、十分予測できたはずなのですが。


さて、僕がだんおにを知ったのは2006年12月のことでした。
当時のPC環境はWindows 98 + ダイヤルアップ回線というそれはそれはひどいもの。
1作品プレイしようにもswfファイルのダウンロードで5~10分ほど余裕で待たされ、
プレイできるようになったらなったで今度は「環境4分間隔ズレ」が発生する始末です。
その後、PCがWindows Vistaに変わり、時を同じくして回線もADSLになりました。
こうして、僕はだんおにを遊べるようになったのです。これが2007年12月中旬の出来事です。

それから、僕はだんおにをたくさん遊びました。
掲示板に得点報告して、制作者の方から返信をもらううれしさを知りました。
気づいた時には作る方にダイブしていました。2008年5月19日のことです。
主に自分のサイトや7chatで、他制作者やプレイヤーの方々といっぱい交流しました。
いろんな方と合作をしました。リレーも、コラボも。
時にはイベントのスタッフになったり、イベントを主催したりしました。
スピードツイスターというだんおにを賑わわせた企画にも携わりました。

数多くの経験の果てにたどり着いた、この「現在(いま)」。
ここまでの旅(Reise)は、長いようで短いようで、やっぱり長いものだったように思います。
そして、僕がだんおにへの情熱を失わない限り、この旅路はこの先もずっと続いていくのでしょう。
いろんな人の、それぞれの道と交叉しながら。


最後になりましたが、今回の合作にお付き合いいただきましたdecresc.さんへ。
本当にお世話になりました。そして改めて300作達成おめでとうございます。
不思議な縁で発生した合作でしたが、かけがえのない経験になりましたね。
僕にとっても記念作であると同時に、とても大切な作品になりました。本当にありがとうございました。
また次の機会があれば合作しましょう!


P.S. 『金太の大冒険』は後世に語り継ぐべき名作。はっきりわかんだね。
<decresc.> No.300(★×17)

誰も居ない、自分語りするなら今のうち。
今年の末もやっぱり何も変わってない自分語り始ま……

おや?どうやら今年はいつもとちょっと違うみたいですね。


というわけで皆様こんばんは。毎度おなじみになれてたら嬉しいdecresc.です。
ダンおに業界に戻ってきてから3度目の冬。思えば遠くまで来てしまったものです。

そしてそれほど時間が経てば積み重なるものもあるということで。
本作が私の作成したダンおにとしての、300作目到達となりました。
制作ペースこそかなり落ちてしまいましたが、
しっかり歩み続けてこれたのは本当によかったなと思う次第です。

そしてさらに。今回は私としては初となるコラボ合作。
お相手は同じく本作が300作目となるizkdic様
つまり「双方が300作目記念のコラボ合作」という、
まさにいろんな意味で前代未聞の作品となりました。


事の起こりやその後の展開に関してはおそらくizkdic様が
まとめてくださっていると思うので、そのあたりは適宜省略しますが。

前回の多鍵祭本祭で突発的なリレー合作に混ぜていただいたのが
合作そのものの初体験だった私にとって、
このような形でのしっかりとしたコラボ合作の経験などあるわけもなく。
右も左もわからないことづくしの私でしたので、
本当にいろいろご迷惑をおかけしっぱなしの制作となりました。

そもそも話の提起そのものも、選曲や名義のアイデアも
ほとんどおんぶにだっこでしたし、
自分ではうまくいかないところを助けられてばかりで。

それこそ譜面制作に関して言えば本当に
自分が普段いかに音拾いを大雑把にやってるかが身にしみた場面も多数。
最後までまとめて頂いたのには本当に感謝の念しかありません。

その分自分がやるべきデザイン面などの作成は
できる限り精一杯行いました。
本当に不思議なめぐり合わせで始まった合作でしたが、
結果として出来上がったものは、双方の熱意がしっかり込められた
大変優れたものになったのではないかなと、手前味噌ながら感じています。

制作そのものも、本当にスムーズでした。
お互いに話しているうちに会話が弾みすぎて話題が二転三転して
ものすごく時間が経ってしまうことが多々あったりもしましたけど。

長々と話した後に「……あれ、なんでこんな話題になったんだっけ?」と
お互い不思議がったりする始末です。
そういう点も含めて、潤滑にコミュニケーションが進んで
良かったのだろうとは思いますけどね。


さて、そんな感じで完成した本作。
前代未聞の300作目記念合作!というのはもちろんのこと、
私にとってもかなり重要な意味を占めている作品だと思っています。

過去の多鍵祭に提出した作品には、
本作と同じように私の中で区切りとなる作品だったものもがいくつかあります。

具体的には、多鍵祭'19で提出した101作目、「この先は、君だけで。」と、
多鍵祭'20で提出した200作目、「無力人間」

どちらも自分らしさを強く前面に押し出した作品ではあるのですが、
いずれもまだ私自身ダンおにの制作において自信のなかった時期の作品であり、
また人と関わることも拒絶していたようなスタンスで居た時期の作品でもあるわけで。

言うなればダンおに作りが完全に自分の自己満足で完結していた頃。
人に見られることなどほとんど意識していない、
ただ自分の中で譜面を作ってているだけでそれでいい。
人と関わることなんてそもそも考えてすら居ない……
きっとそんな感情が、強く込められた作品になっているのではないかと思います。


そんな感じで迎えた100作目、200作目を超え、
この300作目に至るまでを振り返ると、本当に様々な変化がありました。

一番大きなことは、人と関わることが増えたこと。
それこそそれまではイベントに参加するといっても
あくまで作品を出す機会としか思っていなかった私が、
他の人と関わるようになった。大きな変化です。

ずーっと一人で細々と作ってばかりで、
人と関わることを拒絶していたような奴が
イベントに参加していろいろ話すようになり、
スピツイに参加するようになり、挙げ句合作参加ですからね。
過去の自分からみたら、信じられないほどの大きな変化だと思います。


もう一つの変化は、多少なりとも自分の作品に、
さらに自分そのものに自信が持てたことでしょうか。

自己満足で作っていた頃は本当に自分の譜面など
評価に値しないとずっと思っていて。
イベント提出作品のコメントなども
その感情が端々に見られるのではないかなと思いますが。

そんな自分の譜面をプレイいただいて、それが場合によっては評価されて。
それを間近で受けることで、「自分もそんな捨てたものじゃないのか」
少しずつ前を向くことが出来たのだと。


初めてそんな気持ちを抱くきっかけとなった、
多鍵祭'20の「Undertaker」

何か図らずもムーブメントを生み様々な方を
苦しめる結果になった「poP!steP!!jumP!!! feat.ANVE」

自分の初めての試みがまさかの突発合作に繋がってしまった
「春告鳥への餞」

それ以外にも様々な譜面をたくさん遊んでいただいたのは、
本当に私の気持ちを変える大きなきっかけになったのだと思います。

まあ最近はそれがうぬぼれに変わってきてないか、
質はまだまだ高めるべきところはあるのではないかという
自戒の念もありはするのですが……。
後ろ向きすぎるよりはいいことではないかな……とは。


そんな感情の変化を経て、たどり着いたこの300作目。
ここに至るまでの長い旅路を超えてきて、生まれた心境の変化を
明確に象徴するかのようなそんな作品となった
わけです。

作っていたのは5key譜面のみで、
人前にほとんど出ることはなく、
人との関わりも拒絶していて、
作るものにも自信など一切なかったあの頃から。

多鍵譜面を作るようになって、
人前に出るようになって、
人と関わるようになって。
多少なりとも自信を持てるようになって。

その結果完成したのが
当時の自分では絶対に作れないような300作目。
復帰してから3年間、本当にダンおにに関わってから数えたら
16年間もの長い時を経て、たどり着いた旅路(Voyage)の果て。

いろいろありましたが、こんな結末に至った事は
本当に良かったのだろうと思います。

この今の気持ちをこれからもずっと忘れずに、
これからも少しずつ、自分なりのペースで歩みを
進めていければいいなと。そう願うばかりです。


改めて、今回の話を提案いただきお力添えいただいたizkdic様。
私の譜面を遊んで頂き、勇気と自信をくれた多くの方々。
突然戻ってきた私を、受け入れてくれたこの世界の全てに。

本当にありがとうございました。
今後も自分なりに、歩んでいきますので、
よかったら応援していただければ嬉しいです。


これから紡ぐ未来へのstepに、幸多からんことを──。





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