TERRANOVA

23key:☆42 notes:1991(1922+69)
Artist:MOTOSHI(ANDROMEDA)




decresc. の コメント < decresc. > → avec tristesse...


というわけでこんにちは。Celestial Orchestraのオーケストラの方ことdecresc.です。
世にも珍しき23keyの合作作品、いかがでしたでしょうか。
私個人としても師走の回送船に次ぐ2回目の純粋なコラボ合作となります。

初回が5keyでその次が23keyとなるとギャップの凄さを感じますが、
図らずも私が主戦場としているキーで作らせていただけているのはありがたいかぎりなのではないでしょうか。



SKB様との23keyの合作。そんな話自体はどこかのイベントの合間で
そんなことしてみたい的な話として持ち上がっていたので
(確か多鍵祭'21Rが終わって、コレの話が勃発する前の雑談としてだったと思います)

そのうちやることになるだろうとは思っては居たのですが、
ことの始まりのチャットが飛んできたのはなんと11月27日、提出締切の3週間前。
しかもその当時私は個人作の制作でどん詰まってた時期。




SKB「突然なのですが何か合作出来たりしませんか?」
decresc.「シンプル極まりない呼びかけですね」(だいたい本文ママ)




あまりの突然の機会の訪れにうれしさ半分戸惑い半分といった感じでした。
基本的に合作関係のお誘いはよほど予定があわないとかでない限り大喜びで乗っかりに行く私ですが、
流石に今のどん詰まりの私がスムーズに行く保証はないな、と思ってしまい……

結果として「やりたい気持ちはすごくあるんですけど個人作も詰まってて
スケジュール的に上手くいくかわかんないですけどそれでよければ」

みたいな曖昧で微妙な返答となりました。多分初めての経験です。



結果として個人作もなんとか無理やり形になりましたし、
本合作譜面も締め切りよりもかなり早く完成に至れたので
何事もやってみるものだなあと思ったものです。
スムーズに進めていただき本当にありがたい限りでございました。



さて、肝心要の譜面の制作に関して。制作自体は手早く進んだ本作ですが、
こちらもこちらでそれなりにいろいろと難儀するところがありました。


その話をする前に23keyというキー種における
譜面の配置に関するお話を少しさせていただきたいと思います。
え?23keyなんて全然できないと思ってるし配置なんて考えたことない?うるせえチャーハンぶつけんぞ。



23keyは私個人としては「ダンおにの中でもっとも自由なキー種」だと考えています。


なんせキー自体は近く使いやすくまとまっているのに
キー配置は何よりも広くマッピングされていること。上にも下にもかなり自由自在に動き回れます。

この手の配置でぱっと思いつくのは15Bkeyとかだと思うのですが、
それをさらに一段拡張していると思えば、その自由さは随一だと言えるのではないでしょうか。
もっと広いキーができる日もそのうち来るのでしょうけど。
というかその目的なら、今だったらパンパネで作れば?感もありますけど。



そういう事情があって、また23key自体が成立してまだ間もないのもあってか、
譜面づくりの定石というのが今一つ定まっていない感があります。
言い換えれば作り手による癖が多大に反映されるキーでもあると思うのです。



具体的に今回の話でいうと、
私が23keyを作るときは明確に右サイドと左サイドを分割した意識で見ます。
切り替わりのタイミングなどでまたぐこともありますが、
基本的には右手と左手の作業は分業され、混ざることはそうありません。
また上段の混ぜ方も要所要所でたまに混ざる程度、が多いです。

一番多いのはどちらかでリズムパートを打たせてもう一方でメロディパートを打たせる、などですが、
いずれにしろその部分の境目はしっかりとわかることが多いです。

既存の音ゲーで言うならばIIDXにおける配置に近いのが私の置き方だと思います。



一方SKB様はというと、右サイドと左サイドを明確に分割するという意識は持たれていないとのことでした。

あくまで23のキーを全部使って一つの完成品を作るという形であり、配置もかなり自由なものとなります。
右から左へとメロディパートが全面的に描かれていたり、上段への移動も込みで一つのパートを形成していたりと、
全体を使って調和を作るスタイルと言えるでしょう。

既存の音ゲーで言うならおそらくpop'nあたりが近いのではないでしょうか?
DDRもDPになるとその気質が強まるかと思います。



なお私が普段からよく言っている
「私(私の譜面)が23keyの代表面するのも違うと思う」理由の根拠もこのあたりにあったりします。
言うなれば私の置き方は意図的に成約をつけているようなもので、
それで自由な配置が阻害されること自体もナンセンスだと思いますし……



で、そんな二人が合作をするとなるとどうなるか。
当然出来上がる譜面もその傾向を色濃く反映され、まったく形の異なるものになっていくわけです。



序盤中盤のリレーパートでは、それぞれが自分のとおりに譜面を作れば
自然と差別化できるわけで、そこに関しては問題なかったのですが。

終盤のコラボパートがもう。
互いに素案を作って照らし合わせたところで共通点がほぼないとかざら。


結局
「こっちベースにして、こっちの要素少し増やしますか」
「ここは落ち着かせたいのでこっちパートの全面採用で」
「これはこっちベースで、自分はこの要素好きなので入れるとか」
「ここ難易度的に二人ともやっちゃってません?」
みたいな議論を交わしつつ、
一つの結論までたどり着いた感じとなります。


この調整に関してはSKB様に割と丸投げに近い形になったというか、
問題点の提示に対して私が「こんなのどうでしょう」みたいに
曖昧に出した案をすぐに形にしていただいたので大変スムーズに進んで本当にありがたい限りでした。



結果として、
「密度はそこそこ高いが見切りやすい私の色」
「密度的には少し落ち着くけど配置や手の絡みが難しいSKB様の色」
そしてそれらが入り交じる合作パート
お互いの色を出す合作としてはこの上ない形になったのではないかと思います。



なお演出面に関しては全面的に私が担当いたしました。
作曲者様そのものが近未来の宇宙戦争のような映像を軸としたバンド活動をされていることもあり、
こちらも宇宙戦争感を出した演出を取り入れております。

二人の強力な兵士を相手取る壮絶な討伐ミッション、腕に自身のある方は是非挑戦してみてくださいませ。



長くなりましたが最後に。
いろいろとこちらのわがままの多い進行となってしまいましたが最後までありがとうございました。
今までなあなあで済ませてきた譜面の傾向、運び方に関して
いろいろと考えられるいい機会ともなったと思います。

先述の通り基本的にお声掛けいただければ諸手を挙げて向かっていくと
思いますので、また機会がございましたらそのときはよろしくお願いいたします。


SKB の コメント < SKB > → Sky-Blue factory

合作名義でどこまで読まれるか気になるSKBです。

かなり唐突に曲も持っていかず合作をお願いしたらOKを頂き、こういった形になりました。
過程についてはdecresc.さんのコメントにもあるため省略しますが、やはりコラボパートの部分は苦戦しました。
そもそも個人で組んでもいまいち形にならず、どうしたものかとなっていました。
しかし、そこから両方の譜面を見比べながら組み合わせていく作業は非常に楽しく、完成度もだんだん上がっていっている手応えもありました。
23keyでこの難易度となると手が出せる人が何人いるのか……という感じではありますが、面白い仕上がりになったと思うのでぜひプレイしてみてください。

最後に、decresc.さん合作ありがとうございました。
そして突然中身のない呼びかけに応じていただき、譜面以外のほぼ全てをお任せしてしまいすみません。
また機会があればよろしくお願いします。